2016年11月23日水曜日

プチ小説② ~売れないライターの訪問~

 とある高齢者複合施設から活気のある声々が聞こえてくる。
ここは?、周りを見渡すと、黄色に色づいてきた稲穂、緑豊かな山々に
囲まれたそう大和高原に位置する都祁すずらん苑である。

声が聞こえた方に目をやると、施設1階デイサービスフロアから
聞こえてくる声に間違いない。
足を踏み入れると、職員とご利用者が談笑している姿が目に飛び込んできた。
塗り絵に熱心に取り組んでおられる方、脳トレの問題が分からず
職員に聞いておられる方、職員と共に散歩に行こうとされている最中!!
希望に応じたサービスが提供されている心暖かくなる風景がここにはあった。
時間を置き、昼にもう1度訪れると、今後は先ほどまでは個人個人で
楽しまれていた利用者が円を作り、真ん中の的を目掛けて、投げ入れている姿。
個別ケアが問われている時代ではあるが、認知症の利用者も増えてきた昨今、
集団でのレクリエーションもまた大事な取り組みの1つだと教えられた気がした。
興味を持った私は2階、3階、4階と順々にお邪魔してみた。
2・3階は特別養護老人ホームで短期入所(ショートステイ)も受け入れているとの事。
4階はケアハウスであった。
1階に戻ってきた頃にはもうデイサービスは終了の時間を迎えている。
職員が話している内容に耳をそばだてると、今日は地域ボランティアの
お茶会があったとか。
帰りのみんなでの合唱はある利用者がハーモニカを吹き、ある職員がエレクトーンを
演奏し、それに合わせて、職員・利用者が一緒になって歌っていた。
歌っていた歌「ふるさと」を聞いて、私も思わず故郷に思いを馳せずにはいられなかった。

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